さっと

秋田県南に住んでいる「風変わりな人」・・だそうです。

主のいなくなった物品と、時の移ろいの早さ

お盆のかたずけ後の生活、ものを仕舞い込んで(よせて)しまったために、もの探しを始めた。

父親が、愛用していた
イメージ 1きりだしこがたな・・・とか、よんでいたような・・・
さいころに見た時には、ずいぶんと長さがあったようなきがしたのですが・・
  時代劇とかで、短気を起こした職人が懐から取り出して・・・そんな長さ
こんなに短くなっていたのね…さやも、その昔にはあったんでしょうね。

砥石が見つからないけれど、これを、もっと短くなるまで研ぐことは、もう、ないんだろうなぁ
使っていた主がいなくなることは、何もかもが不用品になることを意味しますものね。
このほかに、和机の中には、和鋏もいろいろあって・・・薄い布をすうっと切るスマートなものや
砥ぎを重ねて、みじかく・ずんぐりと変形した鋏まで、いろいろあります。

老体にムチ打って仕事をしていて急に倒れたものだから、
塗り場(ぬりめ・・といっていたんじゃなかったかな?)にある棚には、
いろんなものが脈絡もなくはいって、積み上げられています。

はけ類が入っていた引き出し式のしっかりした作りの小箱・・・
その上で、いろんな調合をしていた風景を見慣れていた私にとって「魔法の箱」でしたが、
それは、見当たらず、毛布やタオルケットで「しめし」をかっていたタナの中には、
修理途中のものが、いろいろと、いまだに入っています。

このまえ、ちょこっとはいったときには、
使いかけの調合されている漆類が、お茶碗などに小分けされて入っていて、
その上には、見慣れた特殊な紙で、空気が入らないようにぴったりと蓋がされており
中身について、見慣れた文字が書かれていて・・・涙が出てきました。

これらの漆…当然、固まっているんですよね。
不燃物として出して、家の中を片付けるのが、筋なのでしょうが…
わたしには、できません

こういう風に、静かに涙を出したのは、久しぶりです。
医学的には、こういう涙が体を癒してくれる効果があるらしいので
これで、生きていけるようになるのでしょうか?

今夜も、書道会の練習がある日です。
息をしている人は、他界した人のことをしのんで泣いてばかりもいられません。
頑張らなくっちゃ



午後から、今晩のために、中国製の筆を使おうと糊落としのために洗っていたら、なんと・・・
「ぴきっ」と音がして・・・筆の軸にひびが入ったようなので、
水に強いビニールテープを買いに、ひとっ走り出かけました。
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お店往復の途中の田んぼでは、もう、稲刈りが始まっていました。

この間まで熱中症になりそうなだけ暑いと思ったのだって、すぐに雪が降って、冬になっちゃう地域制です。

中国製の白い毛の筆の軸の竹の付け根の造りは、
糸で補強もしていないから、すぐに駄目になるものらしく・・・強化のために、ひと手間を
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このテープを軸の根元に巻いているうちに、毛の塊が、ポロリとおっこってきた。ぎゃー
皮・布などを張り付ける接着剤を軸に大目に流し込んでおっこってきた毛の塊を差し込み…
しばらくしてから軽く引っ張ってみたら、なんとか落ち着いたようなので、
これから、はれ物に触るようにして使わないと(洗わないと)いけないのかな?
なかなか思うような筆には出会うことができません。

お金で買えるものでさえこうなのですから、
簡単にとっかえひっかえできるものでもないパートナーなんて、もっと、無縁なのでしょう。